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葛城さんちのツブラくん

  だいぶ間が空いてしまいました。
  約3ヶ月ぶりでしょうか…
  今回は、大人になったツブラコくんを語ってみたいと思います。

 土形のツブラコくんは、葛城のツブラくんになりました。 
  さて、葛城さんちで修行を する事になったツブラくんは、すくすくと成長しました。日本書紀によると養父は「玉田宿禰」となりますが…古事記には「玉田宿禰」の記載がありません。
    ちなみに私は、日本書紀を全て否定するつもりはありません。小説をつくるのに事実を織り交ぜて作り上げるのと同じで、日本書紀も隠したいことを真実と嘘を使って巧妙に隠していると思っています。

  かなりすっ飛ばして行きますが…
  安康天皇の時、ツブラくんは大臣(おおおみ)になっていました。
  ある日、事件が起こりました。安康天皇が殺した大草香皇子の遺児「眉輪王」が、実の父親の死の真相を知り、自ら刃を手に取り天皇(大王)を殺してしまったのです。
   眉輪王のその後の行動は、記紀によって微妙に異なるが、最終的には葛城のツブラ大臣の元へと逃げて来ます。
   王位争いの末に父親を殺された境遇が自分と重なったのでしょう…ツブラくんは、眉輪王を見捨てる事ができず、匿うことにしたのです。
   しかし、後の雄略天皇となる「 大泊瀬幼武尊」との交渉の最中に眉輪王は自刃。
  ここからは、半分私の妄想が入りますのでご注意ください。
   眉輪王が葛城の元へ逃げ込んだおかげで、 大泊瀬幼武尊にとってはチャンス到来。天皇家を取り巻く有力豪族のなかで、とりわけ大きな存在であった葛城氏を潰す良いタイミングとなった事でしょう。葛城氏の筆頭、ツブラ大臣が眉輪王を無下に扱うことは無いだろうと、  大泊瀬幼武尊 にはわかっていた。
   むしろ眉輪王を誘導したのは 大泊瀬幼武尊であったのかもしれない。
   そうして、みごと葛城の里を手に入れ、葛城を滅ぼした……かに見えたことだろう。
    しかし、ツブラ大臣ことツブラくんの方が一枚上手であった。
   自らを死んだ様に見せかけて、あらかじめ用意してあった逃亡ルートを使い一旦身を隠したのだ。
    大泊瀬幼武尊の軍が葛城里から引き上げて、見張りの兵だけになるのを待つと、ツブラくんはこっそりと葛城の里人を葛城の地から逃がした。里人が姿を消した葛城里は、きっと異様な光景であったことだろう。見張りの兵から報告を受けた大泊瀬の大王は、自分の目で確かめるべく軍を率いて葛城里へ入り、そして葛城山に向かった。葛城一族が奉る神奈備山。そこに葛城一族が隠れていると踏んだのだろう。
    葛城山に入ると、大王軍と全く同じ恰好をした一団に遭遇…この一団こそがツブラ大臣率いる葛城一族だ。そしてこの場面が、記紀に登場する大初瀬大王と一言主神との邂逅である。
   なぜ、大王軍と同じ姿を装ったのか?おそらく大王=朝廷と同等の力を持っているとあえて誇示するためだろう。そうした上で、ツブラ大臣は大王と交渉したのだ。『臣下として再び取り立ててくれるなら、葛城の富と権力は大王(朝廷)のために振おう』と…しかし、大王側も叛逆者とした葛城を再び朝廷に戻すのはメンツに関わる…そうして出た和解案が『ツブラ大臣(一言主神)の四国(土佐国)への流罪』である。この頃の四国は完全には朝廷に従っていなかったのではないだろうか?(いつもの妄想が…)大王側(朝廷)からの案として『四国平定』がツブラ大臣の復帰条件であった。そしてこの条件に伴い『復帰に際しては新たな氏族として出仕する事』とした。
   さて…もうお気づきの方もいらっしゃるでしょうか?
    そうです『蘇我氏』の誕生です。
    う〜わ〜と思った方…とりあえず口を閉じましょう。
    「蘇我」は「我、蘇る」と読む。という事はご存知の方も多いかと思います。文字通り、葛城は「蘇我」として蘇った。だからこそ、後の世に蘇我氏が「葛城の里は、元は我々の土地」といって、朝廷に返還を求めたのだ。

   さて、話を少し戻します。
   以前、題材にした羽衣伝説。この伝説の主人公で8人の天女の1人「豊受能売命」は、伊勢神宮外宮の「豊受大神」とも言われております。
   伊勢神宮外宮の社伝に「雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ『丹波国の豊受の神を私の御饌の神として呼び寄せて欲しい』と言ったため外宮を創建した」とある。…何を言いたいのかと申しますと…
この創建説話、おそらくツブラ大臣…いえ、あえてツブラくんと呼びましょう。ツブラくんが雄略天皇との交渉で得たものではないかと思うのです。
    羽衣伝説がいつ頃作られたかはハッキリとしませんが、おそらく「豊受能売命」とは、ツブラくんの母である「摩奴良比売」の事ではないだろうか。
    …話が葛城から若干逸れてしまったので、続きは次回にしましょう。
   次回は伊勢神宮についてちょっと語ります…あ〜どこからか怒られそう…