真実は小説よりも奇なり

   どーもです。今回は、宮子姫と土形氏との関係性を語りたいと思います。

   前回、遠州の熊野三山が何故か「土形」の地を囲うように建立されている…と語りました。

   「偶然でしょ?」と言われてしまえば、確かにそうかもしれない…しかし!思い出していただきたい…日本書紀の編纂者は宮子姫の父とされる「藤原不比等」なんです。土形氏の祖先である「大山守命皇子」を叛逆者として歴史に残した張本人なんです。その藤原不比等の娘に関わる神社が、藤原不比等が歴史から葬り去りたいと思っている一族の関係する土地に作られたわけです。何かある…と思いますでしょう⁉︎

    ある人は言いました。

   「この神社の創建譚は由緒ある藤原氏との関係を謳い、神社の格を上げたいが為の創作である」

    果たしてそうだろうか?そこまで藤原氏におもねるような事をしていたとして、なぜ「土形氏」は歴史上から一切排除されているのか?

   答えは簡単、藤原氏にとって土形氏は不都合な存在だからだ。だからこそ、宮子姫所縁の社は土形氏所縁の地に建てられたのである。

    回りくどい言い方はやめておきましょう……

   

   宮子姫は土形氏の娘である

   

   …わかります…何を言い出すんだ?ってなりますよね…

    ですが説明させてください。

    そもそも、宮子姫は藤原不比等の実の娘では無いのです。

   「髪長姫の伝説」をご存知だろうか?

   前回ご紹介した「道成寺」の縁起にまつわる伝説でございます。

   その昔、紀州のある村に子供に恵まれぬ漁師夫婦がおりました。

    夫婦は熱心に八幡宮に子宝祈願をし、見事女の子を授かりました。ところが、生まれた子には髪が無く、成長しても髪は生えてこなかったのです。

    そんなある日、村では不漁が続き、村人たちは困りはてていました。そんな折、海の底になにやら光り輝くモノが…。

    村人たちは、この光るモノのせいで不漁となったのでは?と考え、この怪しく光るモノの正体を確かめねば!となったのです。

   漁師夫婦の妻は「娘の髪が生えないのは私の前世での行いが悪かったせいだ、今償いとして私が光りの正体を確かめれば娘の髪は生えて来るかもしれない」と考え、自ら海に潜って行きました。

   果たして光り輝くモノの正体やいかに⁈

   それは 黄金に輝く仏像でありました。

   海から持ち帰った漁師の妻は、仏像を祀り毎日拝みました。すると、娘の頭に黒く美しい髪が生えてきたのです。

   ある日、一羽のスズメが漁師の娘の髪を咥えて飛び立ち、そして都に降り立った。スズメが降り立った場所こそ、時の権力者である藤原不比等の邸宅であった。スズメが持ち去った美しい髪の毛を見つけた不比等は、この髪の持ち主を探させ、遂に漁師の娘を見出し、養女にした。

 

   少々割愛をしましたが、以上が宮子姫が藤原不比等の養女に迎えられた経緯として、道成寺に残された伝説であります。

   さて、重要なのはどこかと言いますと…宮子姫が藤原不比等の実子ではなく養子である。という事です。

   おかしいと思いませんか?天皇の妃となる娘を養子にした話を、寺の創建譚としてわざわざ伝え残す…

    歴史の改竄までやってのける藤原不比等が、自身の立場を危うくしかねない話を残してしまうなんて⁈

    しかし私は気がついたのです。「残してしまった」のではなく「この物語を残さねばならなかった」のではないか?と。

   皆様、思い出していただきたい。道成寺遠江熊野三山が同じ創建年代である事を…

   熊野神社道成寺の創建年が同じになってしまったのは、おそらくその当時既に文武天皇の妃として収まっていた宮子姫が、藤原不比等の実子ではないという噂が広まっていたからではないだろうか。正確には、噂ではなく、暗黙の了解、もしくは周知の事実。宮子姫が実子ではないという真実が知れ渡っていたのだ。

   この真実を逆手に取り、美談として収束させるべく、不比等道成寺と共に「髪長姫」の伝説を創り上げたのである。

   さて、ここまできてお気付きの方はいらっしゃるでしょうか?

    そう藤原不比等は、宮子姫の出自を隠したかったのです。

    そして、宮子姫をどうしても文武天皇の妃に据えたかった。それは、自分の娘として天皇家との繋がりを結ぶため…ではなく、自分の意のままにできる天皇を生み出す布石にするためだったのです。

   しかし、当時藤原氏は、権力はあっても人気が無かった。そんな時に藤原氏の娘を天皇家に無理矢理ねじ込んでも、貴族達のみならず、民衆からも相当な反発を受ける事は目に見えていただろう。

    ならば、反発を受けない血筋の者を当家に引き込めば良い。と考えたのではなかろうか?

    そうして目をつけられたのが、柿本人麻呂の妻として大和国にいた土形氏の娘である。

    はい、すみません突然、柿本人麻呂さんを登場させてしまって…

    ですが実は関係があるんです‼︎

    妄想だろ⁈と言われそうですが、きっと辻褄が合うんです‼︎

    もう少しお付き合いくださいませ…

    では、また…